映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« 第三の男(1949) | トップページ | ショーシャンクの空に »

2006年10月11日

スティング(1973)

The_sting

- Universal-     

有名な作品だから、この作品を御存知の方は多いと思うが、最近では昔ほどではないだろう。知らない人も増えてきたかも知れない。劇場主の年代にとっては、この映画は名画中の名画で、公開後直ぐに殿堂入りしそうな傑作の誉れ高き娯楽作品。完成度の高さが際立つと思う。レーザーディスクが発売された時は真っ先に購入したし、DVDの発売の時も、ほぼ同時に買ってしまった。

 

 

 

古いタイプの活劇を再現したようだ。古めかしい舞台劇風の作り方をしてあり、実際に舞台公演もされたらしい。古めかしさがウリのひとつだろう。子供に見せるには一部にマズい場面があるが、あまり目くじらを立てるほどではないかなと思う。一般の劇場でR指定なしで公開されたはず。恋人と見る時は、時間がある時がいい。テンポが若干遅いので、早送りしてしまいたくなるが、それでは雰囲気が損なわれるから、ぜひのんびりと見ることをお勧めしたい。我が家の子供達は、この作品に魅力を感じなかったようだ。テンポの問題かも知れない。

 

 

 

詐欺師たちがギャングのボスを相手に大きな詐欺を仕掛けようとするだけの話。でも、その手口が実に手が込んでいて、仕掛けが大きい点が素晴らしい。相手はギャングだから失敗すれば終わりで、緊迫しながらもおかしい場面が次々と続く。この設定をよく考えついたものだと感心する。そしてストーリーに織り込まれるチンピラ達の友情や、せまってくる殺し屋の恐怖、各々の登場人物の表情なども実に魅力的だった。犯罪者達の間の信頼、友情が、後味を良くしていた。

 

 

 

なぜ、こんなに魅力的な作品なのかを考えたが、原案、俳優、演出、構成、色彩、音楽などのバランスが偶然うまくいっただけかもしれないし、アイディアの段階ですでに傑作になることが決定されていたのか、もしくは綿密に計算した製作の仕方に成功の理由があるのか、いずれか分からない。スタッフ達が、その後も各自で素晴らしい名画ばかり作っているとは言えないから、かなり偶然の部分も大きかったかも知れない。

 

 

 

たとえば、リアルな殺し合いが何度も描かれていたらどうだったか?逆にドタバタ劇の方向に比重を移し、爆笑を狙う演出だったらどうだったか?路線としては、この作品とは全く違った考え方もあったと思う。この作品のような古めかしい映画がヒットするとは限らない。よくぞ、こんな企画が通ったものだ。

 

 

 

ポール・ニューマンが最も大事な役柄だと思う。この映画では不適な表情でギャングを引っかけるタフな姿がよく似合っている。彼は最初はジェームズ・ディーンの後継者として売り出されようとしたこともあったそうだが、器用にオトボケを入れるのでキャラクター的には少し違う印象。ジョニー・デップの先輩格に当たるのかも知れない。

 

 

 

ロバート・レッドフォードも、本来は監督などに向くような知的な人らしいが、この作品ではちょっと軽めのチンピラ役を軽妙に演じていて、なんら違和感がない。脇役達も各々が曲者ぞろいでクスッと笑わせるようなキャラクターの持ち主で、決して目立ちすぎず、映画の役柄さながらに各々の役割を演じて観客をのせている。その連携の巧さに驚く。

 

 

 

 

気がつけば観客である我々も、ギャングと同様に場面に見入ってしまったという印象。観客も、見事にスティングされてしまったかのように。(2017.06.18改編)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

« 第三の男(1949) | トップページ | ショーシャンクの空に »