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2006年10月24日

ドクトル ジバゴ

- あまりにもロシア的大作  -

監督 デビッド リーン 主演 オマー シャリフ

医者で詩人の男ジバコが主人公。上流階級に属し、詩の世界でも有名。ロシア革命前夜の混乱した中で、主人公は混乱のはざまにいる女性と出会う。この女性ラーラと主人公は、革命の混乱の中で恋に落ちます。この二人の関係は、早い話がダブル不倫。混乱の中ではしゃーないという感じも・・・。密会をしたかと思えば離れ離れになり、いっしょに暮らしたかと思えば逃避行をしたりして、壮大な物語が展開。

この作品は大作なので見るのに体力を要する。それにテーマがロシア革命なので、やはり話が重くなる。したがって、子供には向かない。不倫や殺戮場面も少し出て好ましくはないと思う。恋人と見るのもお勧めはしない。根本的には悲劇で、やはりテーマと見る時間の問題がある。しかし深い愛の物語がストーリーの中心をなしていて、文芸作品が好きな方にはお勧め。

原作はロシアのノーベル賞作家のパステルナークの作品。この内容では、ソビエト時代は当然迫害されたでしょう。それでも国外に出なかったと聞いていますから、真の愛国者か。とにかく壮大な話で、ゆっくり時間がないととても見れないが、短くすると作品の価値が下がるかも知れない。

ドストエフスキーやトルストイの大作と同じく、激動、失神、政治、歴史、戦闘、議論、恋愛などが混乱したまま渦巻いて流れていく独特のスタイルが基本。切り取って分りやすいテーマにすると、何か失礼な感じがする。よく映画化したもんだ。その後のソビエトの崩壊を作者ならどんなふうに感じたか?

主人公を演じるオマー シャリフは不思議な人。スラブ系ではないのに、なぜかこの役を演じている。非常に個性的な顔で存在感があり、アラビアのロレンスのアラブ人役でもサマになっていた。演技のうまい下手以前に、この存在感で圧倒している。日本の田舎でも似たような顔の、もっと鼻が低い人を見かけて思わず笑いそうになるが、彼は日系人ではなくエジプト出身。

そういえば「アリーマイラブ」の主人公が彼を想像してオナニーをするという話があったが、これも笑えた。見ようによっては、田舎のおっさん風。

相手役のジュリー クリスティーのインタビューシーンがDVDに入っていたが、この役のイメージとは全然違って、タバコをせわしなくスパスパ吸って落ち着きのない、芸術かぶれのヤンキーみたいな人。いやヤンキーじゃなくて、確かイギリス出身でした。映画の中では非常にきれいで、強い意思を持った魅力的なキャラクター。オマー シェリフでなくても不倫したくなりそう。

見終わった後は、ロシア文学を読んだ時と同じで、疲れと満足感の入り混じった達成感のような感覚がある。音楽も美しく、印象的。

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