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2006年9月29日

いまを生きる(1989)

主演はロビン・ウイリアムス。そして、若い学生役をイーサン・ホークが演じていた。今とは顔つきが全然違い、可愛らしい少年だった。   

DVDで鑑賞。この作品は、逆説的な意味で子供には向かないような気がする。学生時代を扱った作品なのだが、視点は明らかに大人の側から見たものだし、この作品のテーマに感化されると登場人物のように悩み、苦しむことが多いと思う。必要な悩みであろうとは思うが、時には人生を破壊するほどの悩みになりかねないこともある。良いテーマだから良い作品とは限らない。  

 

恋人と見ると会話が高尚なものになり、「あら、この人は意外にまじめで、人の心を大事にする人なのね。」と勘違いさせて、点を稼げるかも知れない。また、軽い意味では自分達の幼少時の思い出話にもつながるから、お勧めと言えるかも。

 

規則でがんじがらめの全寮制進学校に、ロビン・ウイリアムス演じる風変わりな新任の教師が赴任し、独特な授業をする物語。常識を外れた先生は、劇場主の幼少時にもいらしたが、この先生はかなり魅力的な変人だった。それで生徒達も看過されてしまう。

学生時代には、誰もが理不尽な規則に腹を立てた経験があると思う。こっそり規則違反をするスリルが一番の思い出になることも多いが、裏返せば我々が制度、社会的ルールを真摯に考えて生きることを、いかに放棄してきたかということかもしれない。強い者に巻かれ、自分の自由意志を抑え、従順なしもべになるよう、我々は自分でトレーニングしてきたとも言える。進級するためには仕方ないさと、諦めることを学ぶのである。

 

実はこの作品のテーマを充分理解しているか、劇場主は自信がない。端的な例で言えば、子供がもし「お父さん、自分は役者になりたいんだ。」「詩人になろうと思う。」と言ってきたら、劇場主はきっと反対する。子供に図抜けた才能を感じれば別だろうが、言ってきた子供の意志の強さ、その能力を推し量る余裕は、自分にはないような気がする。「うん、でも大学に行ってから良く考えても遅くないよ。」などと一般的な言い方のダマシにかかるのが関の山だろう。

それならば、劇場主はこの映画はもちろん、そもそも人生の意義すら全く理解していないということかも知れない。それこそ、自分の人生で理解することを捨てた可能性はある。でも、そもそも人の生き方は映画ひとつで解決するようなものではないのだろう。

 

この作品の視点は劇場主が述べたような低い次元ではなく、学生たちの息吹を美しく淡々と描き、訴えかけていくことにあるようだ。テーマより、その描写にこそ、意味があったのかも知れない。この作品はきっと誰もが感動し、少しばかりの後悔や、あこがれや懐かしさを感じさせてくれる、そんな秀作だと思う(2017.05.24改編)。

 

 

 

 

 

 

 

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