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2006年9月27日

隠し砦の三悪人(1958)

黒澤 明監督作品。DVDのシリーズになっている。黒澤映画の良い面が見られる優れた作品だと思う。

 

DVDの画質は、黒澤監督か事務所の方針か知らないが、リマスタリングされないことになっているそうで、全くもってよろしくない。その方針がどのように決められたのかは知らない。でも、やはり鑑賞に耐えられるには、もっと画面が明るく、音も明瞭でないと難しいのではないだろうか?

 

陰惨なシーンはほとんどないので、子供が見てもいい作品と思う。恋人とでも楽しめないことはないかと思うが、なんと言っても古い映画だし、声も聞き取りにくいことがあり、画面が暗すぎるので、途中で嫌になるかも知れない。相当な空き時間があるときに、静かな部屋で音量を上げて見れば鑑賞に耐えられるかも知れない。

 

武将が農民2人とだましだまされながらも、何とかお姫様を守ろうとする物語だが、農民2人のやり取りが漫才か落語みたいで、そこが作り手側のねらいのひとつと思える。ただ、ギャグのセンスは数十年前のもので、今日風の笑いではない。当時は相当おもしろく感じられたはずだが・・・・

 

笑いのセンスとは難しいものだ。チャップリンの映画は、小さい子供が観ても気に入ってくれるのだが、たとえば植木等の映画は、我が家の子供には全く受けない。黒澤映画などは話にもならないようだ。何かの流れがあって、古くても通用する笑いと、その時代限定の笑いがある。どう違うのか、明確に言うことができない。

 

黒澤監督の映画は、どんどん大作になって、晩年の作品では娯楽を離れて芸術の域に入りすぎてくる印象がある。この作品も完成度が高く、芸術作品と言えるかも知れないが、農民2人のマヌケぶりが楽しさをキープさせていて、娯楽の部分が保たれているような気がする。芸術に傾きすぎるのは、あるいは作り手の我が儘と言えないだろうか?

 

印象的なシーンがたくさんある。三船敏郎が一瞬姿を現すが、すぐ見えなって農民が不安がるシーン、相手方武将との決闘シーン、裏切り御免のシーン、それとラストの農民の会話などはよく出来てるなあと思う。どの映画も構想、脚本、演出などを練りに練って作っているはずだが、この作品はさすがと感心する。次々と待ち受ける困難な状況も、よく考えてあると思う。

 

難点を挙げれば、いろいろある。画質や音質は、改善が望ましいと思う。お姫様役のまゆ毛のメーキャップは、もうちょっと普通にできなかったのかなとも思う。現実から離れすぎると、時代限定の作品になる。スタッフに教養のありすぎる人が多いため、歌舞伎や能などのセンスでメーキャップをするからかもしれないが、さすがに笑える。 映画自体の時間も長すぎるような気がする。娯楽作品なんだから、原則は短くすべきでは?そんなセンスの面で、やはり古いと言われても仕方ないのかも。あと数十年したら、誰も知らない、価値を見いだせない作品になりかねないと、ちょっと危惧する(2017.05.23改編)。

 

 

 

 

 

 

 

 

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