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2006年9月29日

コールドマウンテン(2003)

・・・アンソニー・ミンゲラ監督作品。

ニコール・キッドマン、ジュード・ロウなど、当時の有力なスター俳優が多数出演したロードムービー。劇場で鑑賞したかどうか、よく覚えていない。この作品は家族で鑑賞できないタイプの映画だと思う。おそらく、独りでしか読めない小説をそのまま映画化した、そんな映画ではないか?

この作品は、明らかに子供向きではない。野蛮な行為もたくさん出て来るから、大人限定の映画だろう。恋人と見るとしたら、ほとんどの場合は雰囲気に良い効果をもたらすと考えるが、やはり辛い場面も多い。本来は純愛ものの作品だから、特に文学あるいは少女コミック好きの彼女ならイチコロで、点数を稼げるかも知れない。現実的でさめた感覚の相手なら、別な作品を選択すべきかも知れない。

 

この物語はきっと「風とともに去りぬ」を意識していると思う。ジュード ロウが南北戦争の戦場から脱走して旅をする途中の物語が中心で、時代も同じだ。スケールの大きさを感じさせる。「風とともに去りぬ」の印象的風景は農場の夕方の光景だが、この映画は木々の美しさや雪の風景が中心で色彩が違う。その美しいこと! 冷たさが伝わってくるようだ。  

ロードムービーだが、途中の登場人物が小説チックで非常に魅力的で、話に深みと拡がりを持たせている。 途中のエピソードは非常に大事だと、この種の映画では常に感じる。 

 

ニコール・キッドマンは、美しさに関しては充分だが、劇場主にはベストな配役とは思えなかった。彼女は役の人物より気が強そうで、独りでちゃんと生きていけそうに見える。この感覚は劇場主だけか? 本当のところはトム・クルーズなどに聞いてみないと分からないが、イメージ的に少し違う気はする。 

ジュード・ロウは悲しみをたたえた目が印象的で、戦争ものに本当によく合う。「A.I」でのロボットの役では、表情がないのが表情のような難しい役を上手に演じていて感心した。セリフを言う必要もないくらい雰囲気がある。その後も出演作は途切れないが、なぜか大スターとは言えないようで、残念に思う。運の問題だろうか? 

 

細かいことだが、ラスト近くで岩に囲まれた狭い場所はセットで撮影されているように感じた。あれは音響を考えて、声が反響しないほうが良かったような気がした。ただの技術的問題かもしれない。大事な場所なのに、セットと分かってしまうと興ざめする。

ジュード・ロウの長い旅に意味があったのか? 苦難の道の途中では分からないものだ。我々の日々の努力も忍耐も、その意味が本当に分かるのは、ずいぶん後のことなのだろう。苦難が続くロードムービーの良い点は、それを連想して希望を持てることだろう。我々に力を与えてくれる。(2017.05.23改編)

 

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