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2006年9月22日

レオン

監督 リュック ベッソン 主演 ジャン レノ、ナタリー ポートマン

もう随分前の映画になったが、初めて鑑賞。隣にヒットマンが住んでいるという設定は他の映画にもある。そのまま「となりのヒットマン」という映画も確かあった。でも、この作品が最も出来が良いかも知れない。殺しの場面がどぎついので、この映画は教育上は絶対よくないが、友人や恋人となら楽しめる。

この映画の最大の魅力は、クールな殺し屋のジャン レノが、ナタリー ポートマンをいかに守り、敵をどう退治していくかのスリルにある。良くできた作品で、ストーリー展開もオーソドックスで、悪役達も気味の悪い役者をそろえてあって、映画らしい映画だと思う。特撮が売りの映画ばっかりでは飽きてしまう。

・・・考えてみれば、最近この手の映画でCGがない作品は、もうないような気もする。なぜかCGのカーアクションが入るのである。

監督のリュック ベッソンはハリウッドに呼ばれて大作を作っているが、才能あふれる人だと感心する。この映画はニューヨークを舞台にしてはいるが、アイディアはずっと以前からあったはずで、作るにあたってアメリカの客の好みを相当イメージしたのだろうと推測する。

‘掃除人’というキャラクターには凄みを感じる。北野たけし監督作品にもクールな殺人者がいろいろ出て来るが、俳優のキャラクターの違いによるのか、単に人種の違いのためか、よりメジャーなのはリュック ベッソン作品のようだ。

ジャン レノが非常に魅力的。この映画の前に、「ニキータ」という映画でも同じような役柄を演じていたが、それより少し人間味がある設定になっている。微妙な性格の違いは、考えてのことだろう。

劇場主は「ニキータ」の時のイメージのまま、あくまでクールな殺人者を期待していたので、今回の役柄には正直なところ少し不満がある。思わぬ言葉に牛乳を噴き出す場面が2回あり、2回はマズイ、1回で充分だと感じた。字が読めないという設定も、あまり意味があるとは思えない。

何かコンプレックスを持たせるなら、発語障害でも良かったのではないかと思ったが、キャラクターを際立たせるために奇想天外な殺し屋を設定すると、座頭市のように現実離れしてしまうので、仕方なかったのかも知れない。それに主な市場であるアメリカでうけるためには、牛乳も2回吹き出し、仲介人に2回も金のことを頼むようなサービスが必要なのかも知れない。

それでも魅力的なのは、ジャン レノが持っている雰囲気と、超人的な殺人技を持ちながら、なぜか植木を大事にしているアンバランスな点が自然に演じられていて、本当のヒットマンも結構こんな生活をしているかも知れないと思わせる演技力と、演出の良さによると思う。ジャン レノ以外の人がこの役をやることを想像してみたが、怖くなりすぎるか軽くなりすぎる俳優がほとんどのような気がする。例えば、シュワルツネッガーがやったらどうか? 何か変だろう。田中邦衛の骨格を1.5倍に大きくして、目をギョロメにしたら似ているかもしれないが、あの声でシラけてしまう。個性は難しいものだ。

共演のナタリー ポートマンも魅力的。頭が良いのか悪いのか、役柄がよく分らないところもあるが、好みの顔なので許せる。どうでも良いことだが、ニューヨークが舞台なのに髪型がフランス的すぎるような気もした。たぶん監督の趣味か、スタイリストがフランス人だったのか? 

また、練習でライフルを撃つ場面があったが、これは結局どんな意味があったのか私には理解できなかった。警察ざたを極力避けるべきはずなのに、街中で練習するなんて考えられない。主人公の非情さを表現したければ別な話でないとダメだと思うし、ナタリー ポートマンが実際に復讐をするためなら、1発だけでは練習にならない。無理であることを悟るために、このシーンを設けたのかなとも思ったが、ちょっと中途半端な印象を受けた。

「二キータ」のヒロインとはキャラクターが違うので、比較するのは意味がないかもしれないが、せめて銃を撃たせても良かったのではないかと思った。「二キータ」では、レストランで必死に銃を構える印象的なシーンがあったが、この映画でも必死さを出すために構えるだけでも効果があったのではないかと思う。何かアメリカ特有の教育関係の制限があったのか?

こまごま小言を言ったが、良くできた映画だと思う。さすがリュック ベッソン、さすがジャン レノという感じ。(2017.05.20改編)

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